繰延税金資産

Deferred tax asset
算定方法の相違により、企業会計上の「資産」または「負債」の額と、課税所得計算上の「資産」または「負債」の額に差異が生じる場合がある。
このうち、将来、課税所得を減額する効果をもつ差異(将来減算一時差異)に係る法人税等の支払額は、会計上、法人税等の前払額に相当する。この前払額を繰延べておく資産勘定を繰延税金資産という。ただし、繰延税金資産は、将来の課税所得が生じなければ、その減額効果は得られない。したがって、繰延税金資産を計上する際には、将来の課税所得の見積りの合理性を検討する必要がある。
たとえば、企業は取引先の破綻に備えて、取引先の債権の一定割合を貸倒引当金として、あらかじめ損失を計上するが、会計上、損金算入限度額(税務上損失として処理できる限度額)を超えて、貸倒引当金として計上した場合には、超過額について、税務上損失とはならない。取引先が実際に破綻して現実に損失が出た場合には税務上損失とされるが、それまでは、課税所得がそれだけ多くなり、税金の支払いが生じる。しかし、税効果会計を適用すると、この部分が会計上、前払額として、資産計上される。これが繰延税金資産である。

http://www.nomura.co.jp/terms/japan/ku/kurinobe_sisan.html